【サイズ・素材】
約37cm×98cm
日本製 綿100%
【図柄説明】
パーマークとは、サケ科魚類の幼魚の体側に見られる小判型の斑紋のことです。この模様は、幼魚期に特有で、成長すると消失することが多いのですが、ヤマメのように成魚になっても残る種類もいます。
【商品への想い】
渓流釣りをしたら終わり。
道具屋をやっている私には釣りの道具がどれを取っても一つ一つ美しく素敵なのは知っていた。 「やってしまったらハマる」と、手を出さなかったのだが2024年初夏、ついに手を出してしまった。
夏の熱風蒸せ返る町を抜け、山に向かう。新緑溢れ、木々の間を吹き抜ける一陣の風、苔生す岩の間を流れる冷涼で清らかな水。沢伝いに差し込む木洩れ陽が山への畏怖をよりいっそう強くし、神秘性が増す。
そんな世界で生きている魚たち。渓流を覗くとささっと黒い魚影が泳ぐ。魚がいるという喜びはもちろん、釣れた喜びもまた一段上の喜びだが、その釣り上げた魚の美しさには一番驚いた。純粋に独特な斑紋の美しさに魅了されたのもあるが、こんなにも険しい山の中で生きている強さと気高さも相まって、個体一匹一匹のまた微妙に違うパーマークが孤高の美しさを引き立てる。
確かに山も川も美しい。木も花も虫すら美しい。自然は美しい、それは、わかっているのだが、こんなにも綺麗な生き物がいるんだと釣り上げたヤマメを見て感動したのだ。
下流から上流へ向けて釣りをしていくのだが、足を一歩一歩上へ上へ目指すと、角のない石が角のある岩に変わっていく。緑の茂る量はいっそう増し、苔を踏むたびに誰も踏み込んだことがないであろう感触がする。秋田県は人口減で確かに人は少ないが、川の上流には人の気配、暮らしの気配がまったく途切れる。遠くで鳴く鳥、風で擦り合う木々の音、近くにいるかもしれない熊への警戒。趣味は楽しいものだし、遊びは胸が躍らないといけないのだが、そんな気持ちが自然の奥に入り込むと怖さにどんどんと変わっていく。
濃い自然は、怖い。
決して道に迷うわけではないのだが、家に帰れなくなるような錯覚に陥る。 山菜を採っている里山でも少しひらけたところからは民家や電柱、地蔵様、ちょっとした畑や椎茸の原木など何かしら人の気配が見える。 そんな気配があってもカモシカやウサギ、タヌキやキツネなど動物を見るのだが、こんなに分け入った沢の奥に来ても動物すら出会わない。 足を踏み入れていいのだろうかとすら躊躇してしまうのは怖いだけではなく、その圧倒的な美しさかもしれない。 汚れ(自分)を山に持ち込んでいると感じるのも怖さからくるのだろう。 魚は臆病な生き物だと思っていたが、そうではない。これほどまでに自分が怖いと思う場所に棲みつき、はるか昔からずっと生命をつなぎ続けてきている。その過程で生じたであろう他の魚との生存競争、同種との縄張り争い、生きることへの執着がこの斑紋を獲得したのだ。釣り上げた瞬間、怖さを安心へ変えてくれたヤマメ。
初めて釣った一匹は食べることにした。 食べることで恐怖に打ち勝とうとするのではなく、山の恩恵やさらに覚えた畏怖を受け入れる意味があった。そして、川の魚がこんなに美味しいとは思わなかった。また、会いに行きたい。
このような初期衝動を図案化し、ヤマメのパーマーク柄の美しさを釣りをしない方々にも使っていただきたいと、手ぬぐいにした。
【注意事項】
・伝統工芸〔注染〕のため、お使い始めに汗や摩擦で色が移る 場合がありますのでご注意ください。
・お洗濯の際は単独で、たっぷりの水で洗ってください。
・浸け置きはお避けください。
・洗濯により色落ち、多少の縮みがあります。
・色合いはご覧いただく環境によって異なる場合があります。